2014年11月16日日曜日

第13回日本超音波治療研究会における研究成果発表

共同研究でお世話になっている横浜市立大学附属 市民総合医療センターの福田浩之先生が下記研究成果発表を行なわれました。われわれと一緒に共同研究している呼吸トラッキング・システムが肝がんのHIFU治療モニタリングにおいて大変有用であるとの内容です。福田先生にはわれわれの研究をいつもEncourageしていただいています。

福田浩之, 沼田和司, 道端信貴, 竹田彩子, 羽尾義輝, 野崎昭人, 中馬誠 近藤正晃, 前田 慎, 田中克明, 伊藤龍, 貝沼 修, 山口武人, 竜 崇正, 小林 暁, 徳田淳一, 李 東俊, 小泉憲裕, 光石 衛, 松本洋一郎, 葭仲 潔,  "肝癌のHIFU治療における3D Slicerと呼吸トラッキングの有用性," 第13回日本超音波治療研究会予稿集, 2014.11.15, 仙台情報・産業プラザ, 宮城.

福田先生の発表風景

2014年11月8日土曜日

第23回日本コンピュータ外科学会大会における成果発表

第23回日本コンピュータ外科学会大会において下記2件の発表を行ないました。

小泉憲裕, 李 東俊, 藤井達也,月原弘之, 福田浩之,葭仲 潔, 東 隆, 宮嵜英世, 杉田直彦, 本間之夫, 松本洋一郎, 光石 衛,  "非侵襲超音波医療診断・治療システムのための位置・姿勢入力デバイス," 日本コンピュータ外科学会誌, 2014.11.8-9, 大阪大学コンベンションセンター, 大阪.

李 東俊, 小泉憲裕, 藤井達也,福田浩之,月原弘之, 東 隆, 葭仲 潔, 道端信貴, 田中克明, 竹田彩子, 沼田和司, 杉田直彦, 本間之夫, 松本洋一郎, 光石 衛,  "超音波ガイド下RFA治療のためのロバストな患部追跡手法," 日本コンピュータ外科学会誌, 2014.11.8-9, 大阪大学コンベンションセンター, 大阪.

(Q)接地面はどこでも可能か?(岡山理科大 松宮 潔先生)
(A)摩擦力を調節すれば傾いたところでも接地可能。
(Q)パッシブな機構では力が提示できないのでは?(九州大 荒田純平先生)
(A)水中の存在するロボットで患部に接触動作するシステムではないので、接触力については提示する必要がない。
(Q)テンプレートの数や場所などをどのように決めているのか?
(A)血管,臓器の境界線,横隔膜などリアルタイム性を損なわない範囲で選択している。

発表風景


2014年10月16日木曜日

FUSシンポジウムにおける発表

我々と共同研究をしている横浜市立大学附属 市民総合医療センターの福田浩之先生が肝がんのトラッキングシステムについて下記、ご発表され、海外の研究者より非常に好評だったとのご報告をいただきました。

Hiroyuki Fukuda, Nobutaka Doba, Kazushi Numata, Ayako Takeda, Yoshiharu Hao, Akito Nozaki, Masaaki Kondo, Makoto Chuma, Shin Maeda, Tatsuya Fujii, Dongjun Lee, Norihiro Koizumi, Hiroyuki Tsukihara, Mamoru Mitsuishi, Yoichiro Matsumoto, and Katsuaki Tanaka, "Respiratory Tracking System of Hepatocellular Carcinoma Treatment Using FUS," in Proc. of Focused Ultrasound 2014 - 4th International Symposium, 2014.10.12-16, Bethesda North Marriott Hotel and Conference Center, Washington D.C., USA.

2014年10月14日火曜日

東大濱田純一総長にNIUTSをデモ紹介しました.

東大濱田純一総長にNIUTSをデモ紹介しました.

システムのコンセプトを説明しながら,実際に,腎臓ファントムをロボットが追従している様子をご覧になっていただき,

「どのような研究段階にあるのか?」とのご質問に対して、

すでにヒトの臓器を高精度に追従,90%の体動をキャンセルできる段階にある.

実際の患者さんのがんや結石を追従できるか確認する実験を今年度中に行なう予定である.

国外の大学や企業からも共同研究のオファーがあり,きわめて有望な将来医療基盤技術になるものと期待されていることを説明しました. ポスター(PDF, 405kB)
説明用ポスター


2014年10月1日水曜日

Scuola Superiore Sant'Annaの研究者とのディスカッション,ドイツHannover大学のBerend Denkena先生への研究紹介

9月30日にScuola Superiore Sant'AnnaのPaolo Dario先生の研究室に所属している超音波医療ロボットの研究者である、Marco MuraさんとAndrea CafarelliさんにNIUTSを紹介するとともに超音波治療ロボットの構築法についてディスカッションしました.特に,超音波による画像追従アルゴリズムについて理解を深めることができました.

左から,小泉,Andrea Cafarelliさん,Marco Muraさん,李君

また、10月4日にドイツHannover大学のBerend Denkena先生にわれわれのNIUTSをデモンストレーションしながら紹介しました.現在までに,ヒトの体動を90%近く補償できていることに対して、”Congratulations !”とEncourageしていただきました.

2014年9月12日金曜日

IROS2014における成果発表

9月14日ー18日までシカゴのPalmer House Hiltonで開催された2014 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS 2014) において下記発表を行ないました.Medical Robots and Systems I(火曜日10:30-, Grand Ball Room)のセッションです.写真のような学会のメイン会場で研究成果を発表しました.その後の90分間のインタラクティブセッションにおいてはRussel Taylor先生, Tim Salcudean先生, 藤江正克先生,武居直行先生らにわれわれの研究・開発するNIUTSシステムについて紹介,ディスカッションする機会を得ることができ,貴重なコメント,ご助言を賜りました.この場をお借りして我々のシステムに興味をもってお越しいただいたり,貴重なご助言やコメントを賜りましたすべての方々にお礼と感謝をもうしあげます.

Norihiro Koizumi, Dongjun Lee, Joonho Seo, Hiroyuki Tsukihara, Akira Nomiya, Takashi Azuma, Kiyoshi Yoshinaka, Naohiko Sugita, Yukio Homma, Yoichiro Matsumoto, and Mamoru Mitsuishi, "A novel redundant motion control mechanism in accordance with medical diagnostic and therapeutic task functions for a NIUTS," in Proc. of 2014 IEEE/RSJ Int. Conf. Intelligent Robotics and Systems (IROS2014), TuB1.6, 2014.9.14-18, Palmer House Hilton, Chicago, USA (To be appeared). PDF (504KB)

発表の様子

2014年9月3日水曜日

第32回日本ロボット学会学術講演会(RSJ2014)における成果発表

第32回日本ロボット学会学術講演会(RSJ2014)において下記2件の成果発表を行ないました.会場は,九州産業大学で,いずれの発表も9月6日10時~の医療ロボティクスのセッション(H室)です.

(1件め)9月6日10:30~(H室)
李 東俊, 小泉憲裕, 月原弘之, 福田浩之,東 隆, 野宮 明, 葭仲 潔, 杉田直彦, 本間之夫, 松本洋一郎, 光石 衛,  "非侵襲超音波診断治療統合システムにおける臓器変形に対するロバスト性向上に関する研究," 第32回日本ロボット学会学術講演会(RSJ2014)予稿集, 2013.09.6, 九州産業大学, 福岡.

(2件め)9月6日10:45~(H室)
小泉憲裕, 舟本貴一,李 東俊, 月原弘之, 福田浩之,東 隆, 野宮 明, 葭仲 潔, 杉田直彦, 本間之夫, 松本洋一郎, 光石 衛,  " 非侵襲超音波診断・治療統合システムにおけるロバスト性向上のための追従状態自動復帰法,"第32回日本ロボット学会学術講演会(RSJ2014)予稿集, 2013.09.6, 九州産業大学, 福岡.

大会長の橋爪 誠先生(九州大学)の講演では,「医師をまねるのみならず,人間には見れない病巣がみれたり,人間の手が届かないところに手が届いたり,人間にはできないような高速・高精度の手術を実現することが医療ロボットに強く期待されている」という趣旨のお話があり,強く感銘を受けました.

われわれの提案するNIUTSも人間の能力を超えるロバストかつ高精度な生体患部追従,体動補償ツールを提供することでこれまで治療の対象外と捉えられてきた運動する臓器にも治療対象を拡大すべく,研究・開発を精力的に進めてゆければと期待しております.

<質疑応答
Q:非常に高いレベル.1回の照射はどのくらいの時間できるのか?(産業総研 堀内先生)
A:治療用超音波を照射している間は診断しないような同期処理を行ない,連続照射が可能なシステムにしている.

Q:臨床化の見通しは?(九州大学 荒田先生)
A:今年中には実際の医療の現場に導入,まずは実際の患者さんの患部(肝臓がん)を追跡する実験を予定している.

Q:通常のトラッキングはどの程度うまくゆくのか?どのような場合に失敗するのか?(東京工業大 小俣先生)
A:.適切な画像さえ得られていれば,高精度で追従することができる.肋間に存在するときには草葉の陰からカメラを構えるようにプローブ姿勢の調整が必要.そこで,現在プローブの姿勢を医師の超音波プローブ操作をもとに実現するようなシステムを開発している.

Q:角度などの変化に対応できるのか?相関法はどうか?
A: 角度の変化を含めたトラッキングについては,今後対応予定です.マシンパワーの向上も念頭にリアルタイム性を考慮しながらよりロバストかつ精確な追跡手法に改良してゆければと期待しています.



李 東俊君の発表風景



2014年8月20日水曜日

群馬大学重粒子線医学センターにおける講演・意見交換のミーティング

平成26年度「第5回 重粒子線医工連携セミナー」において下記の講演をおこない,その後重粒子線治療と超音波治療におけるモニタリングについての共通の課題や医工連携についてさまざまな観点から意見交換のミーティングを行ないました.当日は,金井達明先生,酒井真理先生をはじめ,群馬大学重粒子線医学センターの先生方より非常に有益なコメントを数多く賜り,この場をお借りして深謝もうしあげます.また,重粒子線の研究施設を見学させていただき,誠にありがとうございました.久保田佳樹先生を中心に,重粒子線治療における超音波技術の援用についてもいろいろとご教授賜り,まことにありがとうございました.大変勉強になりました.

日 時:平成26年8月19日(火)
場 所:群馬大学重粒子線医学センター
講 演:医デジ化にもとづく非侵襲超音波診断・治療統合システム(NIUTS)の構築法
内容:ITおよびロボット技術(IRT)を利用して人間の熟練した技能を再構築する、言わば “技能の技術化・デジタル化” がテクノロジーの発達とともに可能になりつつある。すでに製造業分野では、超高精度の作業がロボットによって実現されている。高度な技能を要求される医療分野においても医療診断・治療ロボットの開発により、熟練した専門医のように人体に対して安全・安心に動作する高精度な診断・治療を実現することが期待されている。本講演では、非侵襲超音波医療診断・治療統合システムを例としてとりあげ、医デジ化にもとづく医療支援システムの構築法について概説する。

講演後の記念写真

2014年6月20日金曜日

CARS2014における成果発表

2014 Computer Assisted Radiology and Surgery(CARS2014)において下記発表を行ないました.
6.26日 14:45-の超音波のセッションです(Room409).合計60名程度の方々を前に発表を行ない,貴重な質問やコメントをいただきました.この場をお借りして深謝もうしあげます.

Norihiro Koizumi, Dongjung Lee, Hiroyuki Tsukihara, Akira Nomiya, Takashi Azuma, Kiyoshi Yoshinaka, Naohiko Sugita, Yukio Homma, Yoichiro Matsumoto, and Mamoru Mitsuishi, "Problems in motion tracking for body targets by PD control and their solutions," in Proc. of CARS 2014 Computer Assisted Radiology and Surgery, 2014.6.25-28, Fukuoka Convention Center, Fukuoka, Japan.
http://www.cars-int.org/fileadmin/templates/download/2014/cars2014_final-program_preview.pdf

また,先般投稿しておりました下記解説論文がJRMに掲載されましたのでご報告もうしあげます.

Norihiro Koizumi, Takehiko Tsurumi, Takahiro Kato, Shin'ichi Warisawa, Mitsuru Nagoshi, Hiroyuki Hashizume, and Mamoru Mitsuishi, "Remote Ultrasound Diagnostic System," in Journal of Robotics and Mechatronics (JRM), Vol.26, No.3, pp.396-397, 2014.PDF(642KB)
http://www.fujipress.jp/finder/xslt.php?mode=present&inputfile=ROBOT002600030015.xml

(Q)3Dのトラッキングをどのように実現しているのか?(九州看護福祉大の吉光先生)
(A)2本の超音波プローブを利用してステレオの超音波画像上で3次元の位置を同定している.

(Q)姿勢については補償をおこなっているのか?(九州看護福祉大の吉光先生)
(A)今回の発表では行っていない.後継機では位置のみならず姿勢の補償を行なうシステムを構築中である.

(Q)誤差をどのように評価しているか?(University Medical Center Rotterdam, Guillaume Zahnd先生)
(A)完全に追従していれば超音波画像上で静止する.この静止位置からのずれを追従誤差の指標として評価している.本指標は画像処理上の誤差を含むが,確率的には追従誤差の評価指標になるものと考える.

(Q)ドリフトが定常偏差として残らないか?(University Medical Center Rotterdam, Guillaume Zahnd先生)
(A)ロボットは相対位置偏差をゼロにするように動作するのでドリフトの影響は吸収される.

(Q)追従精度に個人差はあるか?(University Medical Center Rotterdam, Guillaume Zahnd先生)
(A)ある.追従のための画像の質は個人により,あるいは患部によっても異なる.

安倍総理からOpeningのメッセージ
左から中本先生、小泉、李先生

2014年6月6日金曜日

設計工学への論文掲載

設計工学に下記の解説論文が掲載されましたのでご報告もうしあげます.

小泉憲裕, 月原弘之, 光石 衛, "医デジ化にもとづく超音波医療診断・治療統合システムの構築法," 設計工学, Vol.49, No.6, pp.6-13, 2014. PDF(4.5MB)
http://www.jsde.or.jp/shuppan-j/2014/jl201406.html
内容:本報では,著者らが開発している非侵襲超音波医療診断・治療統合システムを例として取りあげ,著者らが提案する医デジ化に基づく医療支援システムの構築法について概説した.これまで製造業分野においてロボットに求められてきた役割は,『定型的な作業を人間では不可能な精度および速度でこなすこと』であった.他方,医療分野において今後期待されるロボットは『これまでは人間にしかできないと思われてきた複雑で非定型な文脈や状況に対して適切な判断および動作を高速・高精度かつ安全・安心に実行するとともに,医師の技能向上の仕組みを確保することで医療の質の向上を図り,新たな診断・治療の可能性を開拓する』ことであろう.

また,文科省の先端融合プログラムのページに研究への取り組みが紹介されました.
http://www.jst.go.jp/shincho/sentanyugo/base06/manpower.html
タイトル:『医療技能の技術化・デジタル化(医デジ化)』という独自のコンセプトにもとづく医療支援システムの構築法を確立する.

2014年5月31日土曜日

ICRA2014における成果発表

IEEE Int. Conf. Robotics and Automation (ICRA 2014)において下記発表を行ないました.Medical Robotics: Planningのセッションです.下記の写真のような広い会場で,100名程度の方々をまえに学会1日めの最後のセッションの一番最後に発表しました.ICRAはIROSとならんでロボット関連のトップカンファレンスなのですが,医療ロボットのセッションは3日間フルに埋まっており,それでも収まりきらずにところどころパラレルセッションになっているところもあるなど,近年研究の数が急増しているようです.

Norihiro Koizumi, Takakazu Funamoto, Joonho Seo, Dongjung Lee, Hiroyuki Tsukihara, Akira Nomiya, Takashi Azuma, Kiyoshi Yoshinaka, Naohiko Sugita, Yukio Homma, Yoichiro Matsumoto, and Mamoru Mitsuishi, "A novel robust template matching method to track and follow body targets for NIUTS," in Proc. of 2014 IEEE Int. Conf. Robotics and Automation (ICRA 2014) , MoD12.3, 2014.5.31-6.5, Hong Kong Convention and Exhibition Center, Hongkong, China. PDF

Abstracts: We have developed the non-invasive ultrasound theragnostic system (NIUTS). In this report, a novel image processing algorithm based on template matching, which is robust for various types of noise factors (NF) in ultrasound images. Proposed method could be applied to real human kidney servo with accuracy of 1.7 mm in average, which is first successful report, as far as we know.

<質疑応答>
(Q)現在2Dのプローブを2本使用しているが,3Dの超音波プローブを使用するのはどうか?(ノースカロライナ大学のRon Alterovitz先生)
(A)もちろん3Dのプローブをわれわれのシステムに搭載することは可能.しかしながら,3D probeは一般にframe rateが低く,現在のところ2Dのプローブを2本配置するほうがより高フレームレートでの追従を実現できるので,この方式を採用している.

発表が終わったあと,医療ロボティクスの分野で著名なPaolo Dario先生より,"Very impressive work"と評価していただき,大変感激いたしました.

また,水中のヘビ型ロボットで著名な広瀬茂男先生からは水中機構や防水などに関して大変有益なご助言を賜りました.この場をお借りしてお礼申し上げるとともに今後の研究に生かしてゆければと期待しております.

ICRA2014発表会場にて,左から小泉,光石先生,Paolo Dario先生,長君.

2014年5月26日月曜日

ROBOMECH2014における成果発表

ロボティクス・メカトロニクス講演会2014(富山市総合体育館)において下記の成果発表を行いました.総計50名を超える方々を前に研究成果を発表することができ,貴重なコメント,ディスカッションができたことをこの場をお借りして深謝もうしあげます.

小泉憲裕, 板垣雄太郎, 李 東俊, 月原弘之, 東 隆, 野宮 明, 葭仲 潔, 杉田直彦, 本間之夫, 松本洋一郎, 光石 衛, "医療技能の技術化・デジタル化に関する研究-肋骨を避けて超音波撮像するために必要なプローブ操作機構-," 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス'14講演会講演論文集, 3A1-F02, 2014.05.25-28, 富山市総合体育館, 富山.PDF(0.7MB)

<内容>
 胸部や腹部における超音波診断・治療における主要な問題点のひとつとして肋骨の音響シャドウにより,患部の抽出・追従・モニタリングが困難になることがあげられる.
 そこで本報では,肋間(肋骨と肋骨の間)に存在する患部を抽出・追従・モニタリングするために必要なプローブ動作機構について検討したのでこの結果について報告する.
 具体的に,肋間操作に必要とされる『ねじり回転』プローブ動作タスク機能および『スキャン』プローブ動作タスク機能を抽出・動作範囲を解析し,つぎにこれに基づいてプローブ動作機構を実装した.最後に実装したシステムにより上記プローブ動作が実現できることを確認した.

<質疑応答>
(Q)肋間に存在する患部の抽出はマニュアルで行うのか?自動化はどのように考えているか?
(A)ロボットがみずから技能を高めることは困難であり,この点は医師に任せるべきだと考えている.医師の能力を補完したり拡張することが有用であるというのが本研究における医療システム開発のスタンスである.すなわち,患部を抽出するタスクは医師の技能にまかせ,追従タスクにおいてはロボットが行なう.

(Q)早稲田大学で,肋間走査の超音波診断自動化の研究が行われているが、どのような点が異なるか?
(A)よく知っている。我々の所属する光石研究室は代々生産加工の研究室であり,医療支援システムの構築においてもこのDNAを受け継いでおり,医療ロボットを工作機械同様に精密に位置決め制御するための機構・制御に関するコア技術を有している.たとえば,本システムで採用しているリニアガイド,曲率ガイドといった剛性の高い機構はこのような精密位置決めが可能な機構であり,このような機構によって,プローブ手先に患部が接触してもプローブの視点が変わらず,これにより,患部追従のための画像の質も低下しないなどの利点がある.人間のようなアーム型のシステムでは,このようにはうまくいかない.

(Q)直交する2本のプローブ両方で肋間に存在する患部を捉えることができるか?(東京農工大・桝田先生)
(A)現在は,ひとつのプローブで肋間に存在する患部をモニタリングすることを第一段階として研究をすすめている.一般に,直交する2本のプローブの両方で肋間に存在する患部を捉えることは困難であり,その場合,患部の運動モデルなどで上記情報を補完する必要が生じるのではないかと考える.将来課題としたい.

(Comment) Theragnosticsという言葉をひろめてゆきましょう(東京農工大・桝田先生)

(Q)工作機械などで周期的な外乱補償の研究があるが,呼吸運動も周期的なので,これを応用できないか?(立命館大・川村先生)
(A)そのような研究も行なっている.ただし,呼吸運動の場合,工作機械の外乱よりも周期のゆらぎが大きいため,たとえば周期性の高い高速運動部のみを予測制御するなどの工夫を行なう必要がある.

(Q)医療分野のほかの領域への応用はどうか?(立命館大・川村先生)
(A)本研究の適用範囲は幅広くある.現在のところ,まずは,腎がん・腎結石に対象を絞り,マンパワーを集中した深堀研究を行っているが,本研究の波及効果は幅広くある.なかでも,生体患部の運動補償技術は極めて有望な扇の要となる技術(特許第5311392号)と位置づけており,今後は,これに関する深堀研究を進めると同時に,本技術の適用対象を拡大し,縦横に研究展開してゆければと考えている.

具体的に,肝がん,乳がん,膀胱結石,胆石等にも適用の幅を広げてゆくことが期待されており,また,超音波による内臓脂肪量計測における精度向上にも,本研究・技術の応用は強く期待されている.さらに本研究は,X線,陽子線,重粒子線,ならびに中性子線といった,最先端のがん治療とも共通の技術課題を有している.

その他,心臓癒着評価をはじめとする心臓機能評価,血栓などの循環器疾患の診断・治療、肩痛・腰痛・関節痛などの痛みの評価・治療,超音波ガイド下での穿刺生検やラジオ波による治療における体動補償にも本技術が応用展開できるものと期待している.

(Q)実用化への見込みは?(立命館大・川村先生)
(A)今秋より,実際の医療の現場に持ち込み,臨床における患部追従実験を開始する予定である.ただし,患者に対する安全性の観点から,強力集束超音波照射をともなう実験には手続きおよび時間がかかる.技術的には患部追従・照射が可能な段階にあると考えている.

(Q)押しつけ力はどれくらいか?(立命館大・川村先生)
(A)ペットボトル1本くらいの重さの押しつけ力があれば十分な超音波画像がえられる.1Nであっても接触状態が得られていれば超音波画像は獲得できる.圧力をかけることで,音響インピーダンスが向上し,患部とプローブとの距離も短くすることができるので,患部抽出・追従のための超音波画像の質を向上させることができる.

(Q)超音波の経路としてシリコン膜はあったほうがよいか?
(A)一長一短であり、シリコン膜での反射を考慮すればないほうがよいが,超音波の経路を確保するうえでは、シリコン膜に圧をかけて、感部との接触状態を保つことができ,有用である.

(Q)超音波の焦点の大きさはどの程度か?
(A)単軸1mm長軸10mm程度の楕円形状.

2014年4月26日土曜日

ISTU2014における成果発表

International Symposium on Therapeutic Ultrasound 2014 (ISTU 2014,, 2014.4.2-5, Las Vegas, USA)において,下記2件のポスター発表を行ないました.合計50名を超える方々を前に発表・ディスカッションさせていただくことができ,多くのご質問・有益なコメントを賜りました.この場を借りてお礼申し上げるとともに今後の研究活動に積極的にフィードバックしてゆければと期待しております.

新しいメンバーを迎えて,今年度は,腎がん・腎結石に関する深堀研究を行なうと同時に,肝がん・循環器疾患など,本技術の適用対象を拡大,実用化・製品化を見据えて縦横に研究展開してゆければと期待しております.今後ともご支援賜りますよう、どうかよろしくお願いもうしあげます.

[1] Dongjung Lee, Norihiro Koizumi, Hiroyuki Tsukihara, Akira Nomiya, Kiyoshi Yoshinaka, Naohiko Sugita, Yukio Homma, Yoichiro Matsumoto, and Mamoru Mitsuishi," Construction of kidney phantom model with acoustic shadow by rib bones and respiratory organ motion," in Proc. of 11th International Symposium on Therapeutic Ultrasound (ISTU 2014), No.230, 2014.4.2-5, Las Vegas, USA, 2014. Travel award for the 2014 ISTU Symposium

[2] Norihiro Koizumi, Dongjung Lee, Hiroyuki Tsukihara, Akira Nomiya, Kiyoshi Yoshinaka, Motohiro Kawasaki, Naohiko Sugita, Takahiro Ushida, Yukio Homma, Yoichiro Matsumoto, and Mamoru Mitsuishi," Servoing performance enhancement for body targets for NIUTS," in Proc. of 11th International Symposium on Therapeutic Ultrasound (ISTU 2014), No.226, 2014.4.2-5, Las Vegas, USA, 2014.

(Q) 提案する機構でいろいろな方向から超音波を照射できるのか?
(A)現在のシステムでは安全面を考慮して,超音波照射をともなう治療系は未実装だが,提案する機構を用いれば肋骨を避けて医師が照射したい方向から患部に照射することができる.さらに,肋骨の存在下でも呼吸・拍動に対する患部運動補償機能を実装してゆければと期待している.

ISTU 2014におけるポスター発表風景

2014年1月24日金曜日

東京大学先端医療開発フォーラムでのポスター発表

下記、ポスター発表を行ないました。

小泉憲裕, 李 東俊, 月原弘之, 東 隆, 野宮 明, 杉田直彦, 本間之夫, 松本洋一郎, 光石 衛,  "集束超音波による治療システムの開発," 東京大学先端医療開発フォーラム, F5, 2014.1.24, 東京大学伊藤国際学術研究センター, 東京.

(Q)従来のESWLによる結石治療と比較してどうか?
(A)松本研究室との共同研究で,従来のESWL治療よりよりピンポイントな治療法を開発している。そのピンポイント性を生かすためにも高精度な追従が期待されている.従来のESWLによる治療では破砕片が大きくなる.一方で共同研究者の松本らが提案するCCCL(Cloud Cavitation Control Lithotripsy)法では,お湯のなかの角砂糖のようにさらさらと結石を破砕することができる\cite{UMB2006:TIkeda}.CCCL法では,従来法よりも破砕に時間を要するため,治療の高効率化のために超音波の焦点と患部とが高精度に常時一致する患部追従(Focal Lesion Servo: FLS)機能が求められている.

\bibitem{UMB2006:TIkeda}
T.~Ikeda, S.~Yoshizawa, M.~Tosaki, J. S.~Allen, S.~Takagi, N.~Ohta, T.~Kitamura, and Y.~Matsumoto, \emph{Cloud Cavitation Control for Lithotripsy Using High Intensity Focused Ultrasound}, in Ultrasound Med Biol, vol.32, no.9, pp.1383-1397, 2006.

2014年1月8日水曜日

IJATへの論文掲載

新年明けましておめでとうございます.
下記の論文がInternational journal of Automation Technologyに掲載されましたので,ご報告もうしあげます.

Norihiro Koizumi, Kouhei Oota, Dongjun Lee, Hiroyuki Tsukihara, Akira Nomiya, Kiyoshi Yoshinaka, Naohiko Sugita, Yukio Homma, Yoichiro Matsumoto, and Mamoru Mitsuishi, "System Identification Method for Non-Invasive Ultrasound Theragnostic System Incorporating Mechanical Oscillation Part," in International Journal of Automation Technology (IJAT), Vol.8, No.1, 2014.

ダウンロードサイト(要登録,無料):
http://www.fujipress.jp/finder/xslt.php?mode=present&inputfile=IJATE000800010013.xml

(概要)
 本研究では,呼吸・心拍等により能動的に運動する生体患部をロバストかつ高精度に抽出・追従・モニタリングしながら,超音波を集束させてピンポイントに患部へ照射することにより,がん組織や結石の治療を患者の皮膚表面を切開することなく非侵襲かつ低負担で行なう非侵襲超音波診断・治療統合システムの構築法を研究している.
  非侵襲超音波医療診断・治療統合システムを構築するにあたっては,『医デジ化』という,独自のシステム構築論に基づいて行なう.医デジ化とは,医療診断・治療における技能を機能として抽出,分解・再構築(構造化)し,これを定量的に解析し,さらに関数としてシステムの機構・制御・画像処理アルゴリズム上に実装することで,医療支援システムの開発に利用しようとするものである.
  このうち,本稿では,機構部の振動を抑制するために,力センサおよびゴムひもを利用して機構振動部の共振周波数を同定する手法を提案するとともに,これをもとに振動抑制フィルタを実装したのでその結果について報告する.
 安全・安心な非侵襲超音波医療診断・治療統合システムを構築するためには,患部追従のための超音波画像の質(IQ)に影響を与える機構振動を抑制する必要がある.