超高度に『医デジ化』された社会の実現

小泉 憲裕
(電気通信大学 大学院情報理工学研究科 准教授)

2014年6月20日金曜日

CARS2014における成果発表

2014 Computer Assisted Radiology and Surgery(CARS2014)において下記発表を行ないました.
6.26日 14:45-の超音波のセッションです(Room409).合計60名程度の方々を前に発表を行ない,貴重な質問やコメントをいただきました.この場をお借りして深謝もうしあげます.

Norihiro Koizumi, Dongjung Lee, Hiroyuki Tsukihara, Akira Nomiya, Takashi Azuma, Kiyoshi Yoshinaka, Naohiko Sugita, Yukio Homma, Yoichiro Matsumoto, and Mamoru Mitsuishi, "Problems in motion tracking for body targets by PD control and their solutions," in Proc. of CARS 2014 Computer Assisted Radiology and Surgery, 2014.6.25-28, Fukuoka Convention Center, Fukuoka, Japan.
http://www.cars-int.org/fileadmin/templates/download/2014/cars2014_final-program_preview.pdf

また,先般投稿しておりました下記解説論文がJRMに掲載されましたのでご報告もうしあげます.

Norihiro Koizumi, Takehiko Tsurumi, Takahiro Kato, Shin'ichi Warisawa, Mitsuru Nagoshi, Hiroyuki Hashizume, and Mamoru Mitsuishi, "Remote Ultrasound Diagnostic System," in Journal of Robotics and Mechatronics (JRM), Vol.26, No.3, pp.396-397, 2014.PDF(642KB)
http://www.fujipress.jp/finder/xslt.php?mode=present&inputfile=ROBOT002600030015.xml

(Q)3Dのトラッキングをどのように実現しているのか?(九州看護福祉大の吉光先生)
(A)2本の超音波プローブを利用してステレオの超音波画像上で3次元の位置を同定している.

(Q)姿勢については補償をおこなっているのか?(九州看護福祉大の吉光先生)
(A)今回の発表では行っていない.後継機では位置のみならず姿勢の補償を行なうシステムを構築中である.

(Q)誤差をどのように評価しているか?(University Medical Center Rotterdam, Guillaume Zahnd先生)
(A)完全に追従していれば超音波画像上で静止する.この静止位置からのずれを追従誤差の指標として評価している.本指標は画像処理上の誤差を含むが,確率的には追従誤差の評価指標になるものと考える.

(Q)ドリフトが定常偏差として残らないか?(University Medical Center Rotterdam, Guillaume Zahnd先生)
(A)ロボットは相対位置偏差をゼロにするように動作するのでドリフトの影響は吸収される.

(Q)追従精度に個人差はあるか?(University Medical Center Rotterdam, Guillaume Zahnd先生)
(A)ある.追従のための画像の質は個人により,あるいは患部によっても異なる.

安倍総理からOpeningのメッセージ
左から中本先生、小泉、李先生

2014年6月6日金曜日

設計工学への論文掲載

設計工学に下記の解説論文が掲載されましたのでご報告もうしあげます.

小泉憲裕, 月原弘之, 光石 衛, "医デジ化にもとづく超音波医療診断・治療統合システムの構築法," 設計工学, Vol.49, No.6, pp.6-13, 2014. PDF(4.5MB)
http://www.jsde.or.jp/shuppan-j/2014/jl201406.html
内容:本報では,著者らが開発している非侵襲超音波医療診断・治療統合システムを例として取りあげ,著者らが提案する医デジ化に基づく医療支援システムの構築法について概説した.これまで製造業分野においてロボットに求められてきた役割は,『定型的な作業を人間では不可能な精度および速度でこなすこと』であった.他方,医療分野において今後期待されるロボットは『これまでは人間にしかできないと思われてきた複雑で非定型な文脈や状況に対して適切な判断および動作を高速・高精度かつ安全・安心に実行するとともに,医師の技能向上の仕組みを確保することで医療の質の向上を図り,新たな診断・治療の可能性を開拓する』ことであろう.

また,文科省の先端融合プログラムのページに研究への取り組みが紹介されました.
http://www.jst.go.jp/shincho/sentanyugo/base06/manpower.html
タイトル:『医療技能の技術化・デジタル化(医デジ化)』という独自のコンセプトにもとづく医療支援システムの構築法を確立する.