超高度に『医デジ化』された社会の実現

小泉 憲裕
(電気通信大学 大学院情報理工学研究科 准教授)

2018年3月31日土曜日

JJMUへの論文掲載

Jpn J Med Ultrasonics (JJMU)誌に超音波医学分野におけるわれわれの医療のデジタル化(医デジ化)プロジェクトについて、これまでの取組みをまとめた下記の論文が掲載されました。本論文をまとめるにあたっては、非常に多くの方々にご助言・ご指導・ご協力をたまわりました。この場をお借りして、深く深く、深謝もうしあげます。

[1] 小泉憲裕, 徐 俊浩, 李 得熙, 栢菅 篤, 近藤亮祐, 冨田恭平, 細井泉澄, 西山 悠, 月原 弘之, 宮嵜 英世, 福田浩之, 沼田 和司, 葭仲 潔, 東 隆, 杉田直彦, 本間之夫, 松本洋一郎, 光石 衛 , "医療・バイオは新しいデジタルだ-医デジ化による超高精度な超音波診断・治療の実現-," 特集:超音波診断・治療支援システム開発の最先端, Jpn J Med Ultrasonics, Vol.45, No.2, pp.173-182 (DOI: 10.3179/jjmu.JJMU.R.125 ), 2018. PDF

概要:
医学および生物学に数理,情報,制御,人工知能,ロボット技術など,さまざまな理工学技術の交差点にはきわめて大きな可能性が秘められているのではないかという期待は日々急速に高まり,膨らみ続けている.ビル・ゲイツは『もしいま自分が学生ならバイオを学ぶ』といい,ニコラス・ネグロポンテは『Bio is new Digitals.』とバイオとIT 技術の融合により生物学が再構築されることをきわめて明快なフレーズで予測・表現している.ここでいうバイオとはbiotechnology を含めた広い範囲でのバイオを対象とするものとする.本報では,前記の医療・バイオのデジタル化(医デジ化)のうち,特に超音波医学分野におけるデジタル化およびこのためのコア基盤技術を取り上げ,その現状を概観するとともに将来への期待も含めて議論する.

Abstract:
The expectation that intersections of various science and engineering technologies such as mathematics, information, control, artificial intelligence, and robot technology with medicine and biology have enormous potential is rapidly growing day by day. Bill Gates said, “If I were a student, I would learn biology,” and Nicolas Negroponte said, “Bio is new digitals.” It is a very clear phrase that predicts that biology will be reconstructed by the fusion of bio and IT technology. Here, the meaning of bio is intended to cover a wide range of bio including biotechnology. In this paper, we review medical digitization( Me-DigIT) in the field of medical ultrasound and core technologies for Me-DigIT.

2018年3月19日月曜日

栃木高校におけるSSH学問探究講義

「大学の専門的講義を受けることで、学問への探究心を深めるとともに、進路意識を醸成し、学習意欲を向上させる」という目的のもとに開講される栃木高校の「SSH学問探究講義」において、『医療・バイオはあたらしいデジタルだ-医デジ化による超高精度な診断・治療の実現-』をテーマに出張講義を行ないました。栃木高校では、『科学的手法を身につけた有為な人材を育成する教育プログラムの開発』を研究開発課題としてSSH事業に採択されています。

フレッシュで聡明な学生の皆様方を目の前にして、自分自身の起点・原点を今一度思い起こすことができ、とっても有意義で素敵な時間を過ごすことができました。学生の皆様方には事前課題や講義中の問いかけにもしっかりと答えておられて、大変心強く感じました。このような機会を与えていただき、いろいろとお世話になりました進路指導部長の加藤達也先生はじめ、栃木高校の関係者の皆様方に深謝もうしあげます。

学生の皆様方が

1.自分自身にとっての人生の最終目的地(人生における独自の北極星や富士山の頂上!)をなんとしてもみずから見出してできうる限り明確に将来ビジョンとして描き、

2.そこへと至るロードマップやマイルストーンをバックキャストして具体的に策定し、自分自身に固有の人生の本質(バックボーン)に肉薄、しっかりと捉え、これを辿(たど)りながら、

3.あらん限りのパワーフォーカスをそこに加えて力強く骨太に、自分自身にとっての真に実のあるかけがえのない人生を歩まれんこと

を心より強く願っております。そして上記の実現のためには、why?とhow?をしっかり主張できることが求められます。

[1] 小泉憲裕, 医療・バイオはあたらしいデジタルだ-医デジ化による超高精度な診断・治療の実現-, SSH学問探究講義, 文部科学省SSH事業採択課題『科学的手法を身につけた有為な人材を育成する教育プログラムの開発』, 栃木高校, 2018.3.19.

講義風景

2018年3月7日水曜日

健康福祉×IoTセミナーにおける講演

健康福祉×IoTセミナー(東京都中小企業振興公社多摩支社主催)におきまして、『医デジ化による超高精度な診断・治療の研究事例と産業界への期待』をテーマに講演を行ないました。当日は産・官・学の多方面からの大変貴重なご助言・ご指導をたまわり、感謝・感激まことにありがとうございます。特に、主催者の芳賀啓一様、畠野あゆみ様には当日の発表にあたって大変お世話になりまして、まことにありがとうございます。

[1] 小泉憲裕, 医デジ化による超高精度な診断・治療の研究事例と産業界への期待, 健康福祉×IoTセミナー(東京都中小企業振興公社多摩支社主催)2018.3.7., 東京都中小企業振興公社多摩支社.

東京都中小企業振興公社多摩支社のご指導・ご支援のもと、ぜひ産官学を巻き込んだネットワーク型の医デジ化(Me-DigIT)・イノベーション・プラットフォーム(MIP)の形成を図り、医デジ化によるイノベーションを推進、医療診断・治療支援システムの実用製品化をさらに加速してゆければと期待しております!

引き続き大変お世話になりますが、ご助言・ご指導・御力添えをたまわりますよう、どうぞよろしくお願いもうしあげます。

健康福祉×IoTセミナー(東京都中小企業振興公社多摩支社主催):
http://www.tokyo-kosha.or.jp/topics/1801/documents/0015_print.pdf
https://www.technology-tama.jp/blog/10375

昨今、あらゆるモノがインターネットに繋がるIoTの活用が、様々な分野で進んでいます。今回のセミナーでは、健康福祉(医療)分野とIoTに関して、産学官それぞれの立場から成果事例や今後の課題についてご講演いただき、健康福祉×IoTを切り口とした新規ビジネス参入の可能性に迫ります。

広域多摩イノベーションプラットフォームとは
【事業の概要】
(公財)東京都中小企業振興公社多摩支社において、中小企業を中心とし、大手企業、大学、試験研究機関等を巻き込んだネットワーク形成およびマッチング支援を行います。また、開発ニーズと技術提案が常時出会う環境をつくり、事業化までの継続的な支援を行い、成長産業分野(環境・健康福祉・危機管理)での企業間連携やビジネスチャンスへの拡大を図り、多摩地域の更なるイノベーションを促進していきます。




講演風景その1

講演風景その2

2018年3月2日金曜日

川﨑元敬先生による体表を傷つけない、画期的な強力集束超音波疼痛緩和治療についてのご講演

電気通信大学脳科学ライフサポート研究センターセミナーにおいて高知大学医学部附属病院の川﨑元敬先生に電通大にお越しいただいて、ご講演たまわりました。体表を傷つけない、画期的な強力集束超音波疼痛緩和治療の最新の成果についてご講演たまわり、大変勉強になり、質疑応答も白熱しました!!

共同研究におきましても引き続き大変お世話になりますが、ご助言・ご指導・御力添えをたまわりますよう、どうぞよろしくお願いもうしあげます。

電気通信大学脳科学ライフサポート研究センターセミナー:
http://blsc-uec.net/seminar/

川﨑元敬先生のご講演内容:
痛みの緩和は、いずれの骨関節疾患においても対処すべき重要な課題です。なかでも、長引く痛みである慢性痛は心身に影響を及ぼし、患者の活動性や生活の質を低下させます。

このような痛みに対してさまざまな治療が実施されますが、できるだけ身体的負担が少なく効果的な治療法が理想的です。今回紹介する集束超音波治療は、体表に侵襲を与えることなく、多数の強力超音波を体内で集束させて熱による蛋白変性を利用し標的部位を治療します。

これをMR画像の誘導により、安全にピンポイントの疼痛緩和治療が達成できます。この治療効果を生かして、痛みを伴う骨転移、慢性の腰痛や膝痛に対する治療を実施してきましたので、その成果と今後の課題について発表いたします。

ご講演資料:
http://blsc-uec.net/wpblsc/wp-content/uploads/KawasakiForHP-BLSCseminar.pdf

川﨑元敬先生のご講演風景 その1

川﨑元敬先生のご講演風景 その2

川﨑元敬先生のご講演風景 その3