超高度に『医デジ化』された社会の実現

小泉 憲裕
(電気通信大学 大学院情報理工学研究科 教授)

2014年9月12日金曜日

IROS2014における成果発表

9月14日ー18日までシカゴのPalmer House Hiltonで開催された2014 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS 2014) において下記発表を行ないました.Medical Robots and Systems I(火曜日10:30-, Grand Ball Room)のセッションです.写真のような学会のメイン会場で研究成果を発表しました.その後の90分間のインタラクティブセッションにおいてはRussel Taylor先生, Tim Salcudean先生, 藤江正克先生,武居直行先生らにわれわれの研究・開発するNIUTSシステムについて紹介,ディスカッションする機会を得ることができ,貴重なコメント,ご助言を賜りました.この場をお借りして我々のシステムに興味をもってお越しいただいたり,貴重なご助言やコメントを賜りましたすべての方々にお礼と感謝をもうしあげます.

Norihiro Koizumi, Dongjun Lee, Joonho Seo, Hiroyuki Tsukihara, Akira Nomiya, Takashi Azuma, Kiyoshi Yoshinaka, Naohiko Sugita, Yukio Homma, Yoichiro Matsumoto, and Mamoru Mitsuishi, "A novel redundant motion control mechanism in accordance with medical diagnostic and therapeutic task functions for a NIUTS," in Proc. of 2014 IEEE/RSJ Int. Conf. Intelligent Robotics and Systems (IROS2014), TuB1.6, 2014.9.14-18, Palmer House Hilton, Chicago, USA (To be appeared). PDF (504KB)

発表の様子

2014年9月3日水曜日

第32回日本ロボット学会学術講演会(RSJ2014)における成果発表

第32回日本ロボット学会学術講演会(RSJ2014)において下記2件の成果発表を行ないました.会場は,九州産業大学で,いずれの発表も9月6日10時~の医療ロボティクスのセッション(H室)です.

(1件め)9月6日10:30~(H室)
李 東俊, 小泉憲裕, 月原弘之, 福田浩之,東 隆, 野宮 明, 葭仲 潔, 杉田直彦, 本間之夫, 松本洋一郎, 光石 衛,  "非侵襲超音波診断治療統合システムにおける臓器変形に対するロバスト性向上に関する研究," 第32回日本ロボット学会学術講演会(RSJ2014)予稿集, 2013.09.6, 九州産業大学, 福岡.

(2件め)9月6日10:45~(H室)
小泉憲裕, 舟本貴一,李 東俊, 月原弘之, 福田浩之,東 隆, 野宮 明, 葭仲 潔, 杉田直彦, 本間之夫, 松本洋一郎, 光石 衛,  " 非侵襲超音波診断・治療統合システムにおけるロバスト性向上のための追従状態自動復帰法,"第32回日本ロボット学会学術講演会(RSJ2014)予稿集, 2013.09.6, 九州産業大学, 福岡.

大会長の橋爪 誠先生(九州大学)の講演では,「医師をまねるのみならず,人間には見れない病巣がみれたり,人間の手が届かないところに手が届いたり,人間にはできないような高速・高精度の手術を実現することが医療ロボットに強く期待されている」という趣旨のお話があり,強く感銘を受けました.

われわれの提案するNIUTSも人間の能力を超えるロバストかつ高精度な生体患部追従,体動補償ツールを提供することでこれまで治療の対象外と捉えられてきた運動する臓器にも治療対象を拡大すべく,研究・開発を精力的に進めてゆければと期待しております.

<質疑応答
Q:非常に高いレベル.1回の照射はどのくらいの時間できるのか?(産業総研 堀内先生)
A:治療用超音波を照射している間は診断しないような同期処理を行ない,連続照射が可能なシステムにしている.

Q:臨床化の見通しは?(九州大学 荒田先生)
A:今年中には実際の医療の現場に導入,まずは実際の患者さんの患部(肝臓がん)を追跡する実験を予定している.

Q:通常のトラッキングはどの程度うまくゆくのか?どのような場合に失敗するのか?(東京工業大 小俣先生)
A:.適切な画像さえ得られていれば,高精度で追従することができる.肋間に存在するときには草葉の陰からカメラを構えるようにプローブ姿勢の調整が必要.そこで,現在プローブの姿勢を医師の超音波プローブ操作をもとに実現するようなシステムを開発している.

Q:角度などの変化に対応できるのか?相関法はどうか?
A: 角度の変化を含めたトラッキングについては,今後対応予定です.マシンパワーの向上も念頭にリアルタイム性を考慮しながらよりロバストかつ精確な追跡手法に改良してゆければと期待しています.



李 東俊君の発表風景



2014年8月20日水曜日

群馬大学重粒子線医学センターにおける講演・意見交換のミーティング

平成26年度「第5回 重粒子線医工連携セミナー」において下記の講演をおこない,その後重粒子線治療と超音波治療におけるモニタリングについての共通の課題や医工連携についてさまざまな観点から意見交換のミーティングを行ないました.当日は,金井達明先生,酒井真理先生をはじめ,群馬大学重粒子線医学センターの先生方より非常に有益なコメントを数多く賜り,この場をお借りして深謝もうしあげます.また,重粒子線の研究施設を見学させていただき,誠にありがとうございました.久保田佳樹先生を中心に,重粒子線治療における超音波技術の援用についてもいろいろとご教授賜り,まことにありがとうございました.大変勉強になりました.

日 時:平成26年8月19日(火)
場 所:群馬大学重粒子線医学センター
講 演:医デジ化にもとづく非侵襲超音波診断・治療統合システム(NIUTS)の構築法
内容:ITおよびロボット技術(IRT)を利用して人間の熟練した技能を再構築する、言わば “技能の技術化・デジタル化” がテクノロジーの発達とともに可能になりつつある。すでに製造業分野では、超高精度の作業がロボットによって実現されている。高度な技能を要求される医療分野においても医療診断・治療ロボットの開発により、熟練した専門医のように人体に対して安全・安心に動作する高精度な診断・治療を実現することが期待されている。本講演では、非侵襲超音波医療診断・治療統合システムを例としてとりあげ、医デジ化にもとづく医療支援システムの構築法について概説する。

講演後の記念写真

2014年6月20日金曜日

CARS2014における成果発表

2014 Computer Assisted Radiology and Surgery(CARS2014)において下記発表を行ないました.
6.26日 14:45-の超音波のセッションです(Room409).合計60名程度の方々を前に発表を行ない,貴重な質問やコメントをいただきました.この場をお借りして深謝もうしあげます.

Norihiro Koizumi, Dongjung Lee, Hiroyuki Tsukihara, Akira Nomiya, Takashi Azuma, Kiyoshi Yoshinaka, Naohiko Sugita, Yukio Homma, Yoichiro Matsumoto, and Mamoru Mitsuishi, "Problems in motion tracking for body targets by PD control and their solutions," in Proc. of CARS 2014 Computer Assisted Radiology and Surgery, 2014.6.25-28, Fukuoka Convention Center, Fukuoka, Japan.
http://www.cars-int.org/fileadmin/templates/download/2014/cars2014_final-program_preview.pdf

また,先般投稿しておりました下記解説論文がJRMに掲載されましたのでご報告もうしあげます.

Norihiro Koizumi, Takehiko Tsurumi, Takahiro Kato, Shin'ichi Warisawa, Mitsuru Nagoshi, Hiroyuki Hashizume, and Mamoru Mitsuishi, "Remote Ultrasound Diagnostic System," in Journal of Robotics and Mechatronics (JRM), Vol.26, No.3, pp.396-397, 2014.PDF(642KB)
http://www.fujipress.jp/finder/xslt.php?mode=present&inputfile=ROBOT002600030015.xml

(Q)3Dのトラッキングをどのように実現しているのか?(九州看護福祉大の吉光先生)
(A)2本の超音波プローブを利用してステレオの超音波画像上で3次元の位置を同定している.

(Q)姿勢については補償をおこなっているのか?(九州看護福祉大の吉光先生)
(A)今回の発表では行っていない.後継機では位置のみならず姿勢の補償を行なうシステムを構築中である.

(Q)誤差をどのように評価しているか?(University Medical Center Rotterdam, Guillaume Zahnd先生)
(A)完全に追従していれば超音波画像上で静止する.この静止位置からのずれを追従誤差の指標として評価している.本指標は画像処理上の誤差を含むが,確率的には追従誤差の評価指標になるものと考える.

(Q)ドリフトが定常偏差として残らないか?(University Medical Center Rotterdam, Guillaume Zahnd先生)
(A)ロボットは相対位置偏差をゼロにするように動作するのでドリフトの影響は吸収される.

(Q)追従精度に個人差はあるか?(University Medical Center Rotterdam, Guillaume Zahnd先生)
(A)ある.追従のための画像の質は個人により,あるいは患部によっても異なる.

安倍総理からOpeningのメッセージ
左から中本先生、小泉、李先生

2014年6月6日金曜日

設計工学への論文掲載

設計工学に下記の解説論文が掲載されましたのでご報告もうしあげます.

小泉憲裕, 月原弘之, 光石 衛, "医デジ化にもとづく超音波医療診断・治療統合システムの構築法," 設計工学, Vol.49, No.6, pp.6-13, 2014. PDF(4.5MB)
http://www.jsde.or.jp/shuppan-j/2014/jl201406.html
内容:本報では,著者らが開発している非侵襲超音波医療診断・治療統合システムを例として取りあげ,著者らが提案する医デジ化に基づく医療支援システムの構築法について概説した.これまで製造業分野においてロボットに求められてきた役割は,『定型的な作業を人間では不可能な精度および速度でこなすこと』であった.他方,医療分野において今後期待されるロボットは『これまでは人間にしかできないと思われてきた複雑で非定型な文脈や状況に対して適切な判断および動作を高速・高精度かつ安全・安心に実行するとともに,医師の技能向上の仕組みを確保することで医療の質の向上を図り,新たな診断・治療の可能性を開拓する』ことであろう.

また,文科省の先端融合プログラムのページに研究への取り組みが紹介されました.
http://www.jst.go.jp/shincho/sentanyugo/base06/manpower.html
タイトル:『医療技能の技術化・デジタル化(医デジ化)』という独自のコンセプトにもとづく医療支援システムの構築法を確立する.