医療用AI・ロボティクス分野のトップジャーナルである International Journal of Computer Assisted Radiology and Surgery (IJCARS)誌に松山桃子さんらの投稿論文がオンラインファーストで掲載されました。横浜市大センター病院 沼田和司先生、東京大学医学部附属病院 月原弘之先生、日本大学の松本直樹先生らとの共同研究プロジェクトの成果であり、われわれが推進する『医療診断・治療技能のデジタル化』に関するものです。ひきつづき大変お世話になりますが、ご助言・ご指導・お力添えをたまわりますようどうぞよろしくお願いもうしあげます。
プレスリリース、メディアへの掲載:
https://www.uec.ac.jp/news/announcement/2022/20220126_4110.html
https://medit.tech/detailed-dynamic-model-of-antagonistic-pam-system-and-its-experimentalvalidation/
Momoko Matsuyama, Norihiro Koizumi, Akihide Otsuka, Kento Kobayashi, Shiho Yagasaki, Yusuke Watanabe, Jiayi Zhou, Yu Nishiyama, Naoki Matsumoto, Hiroyuki Tsukihara, Kazushi Numata, "A novel complementation method of an acoustic shadow region utilizing a convolutional neural network for ultrasound-guided therapy," International Journal of Computer Assisted Radiology and Surgery (IJCARS), https://doi.org/10.1007/s11548-021-02525-8, 2021. IF=2.9
概要:
目的:
音響ノイズの少ない超音波画像は、局所超音波ガイド下治療中の臓器モニタリングに不可欠です。しかしながら、患部が肋骨の下にある場合、骨などの硬い組織からの音の反射によって音響陰影が発生し、この領域の情報が欠損した状態で画像が出力されます。これを踏まえて本研究では、欠損領域を補完した合成画像を生成する手法を新規に提案する。
方法:
音響陰影のない合成画像を生成するための補完方法の全体的な流れは次のとおりです。まず、畳み込みニューラルネットワークに基づいて、ファントム腎臓上の音響影の有無の二項分類法を構築した。次に、時系列データベースから適切な画像を検索し、音響陰影で隠れていない対応する領域をターゲット画像の欠落領域に重ね合わせることにより、音響陰影のない合成画像を作成した。また、U-Netを利用した自動腎臓マスク生成法の構築と検証を行った。
結果:
腎臓追跡の補完精度を向上することにより、テンプレートのマッチングによって画像追跡する精度が向上した。補完後のゼロ平均正規化相互相関(ZNCC)値は、4未満の補完前の値よりも高かった。
さまざまなデータ生成条件:(i)ロボット超音波診断システムのベッドの位置を並進方向に変更、(ii)プローブ角度を並進方向に変更、(iii)プローブの回転運動を条件(ii)に追加。条件(iii)では腎臓の輪郭の形状に大きなばらつきがあったが、提案された方法はZNCC値を0.5437から0.5807に改善した。
結論:
提案手法の有効性はファントム実験レベルで実証された。今後の研究では、実際の臓器での有効性を検証する必要がある。
欠損領域の画像を補完した合成画像を生成する手法 |