超高度に『医デジ化』された社会の実現

小泉 憲裕
(電気通信大学 大学院情報理工学研究科 准教授)

2021年9月21日火曜日

International Journal of Computer Assisted Radiology and Surgery (IJCARS)誌への論文掲載

 医療用AI・ロボティクス分野のトップジャーナルである International Journal of Computer Assisted Radiology and Surgery (IJCARS)誌に齋藤僚介さんらの投稿論文がオンラインファーストで掲載されました。日本大学の小川眞広先生、松本直樹先生、増崎先生、高橋先生らとの共同研究プロジェクトの成果であり、われわれが推進する『医療診断・治療技能のデジタル化』に関するものです。ひきつづき大変お世話になりますが、ご助言・ご指導・お力添えをたまわりますようどうぞよろしくお願いもうしあげます。

Ryosuke Saito, Norihiro Koizumi, Yu Nishiyama, Tsubasa Imaizumi, Kenta Kusahara, Shiho Yagasaki, Naoki Matsumoto, Ryota Masuzaki, Toshimi Takahashi, Masahiro Ogawa, "Evaluation of Ultrasonic Fibrosis Diagnostic System Using Convolutional Network for Ordinal Regression," International Journal of Computer Assisted Radiology and Surgery (IJCARS)2021. https://doi.org/10.1007/s11548-021-02491-1 IF=2.9


概要: 

研究の目的は、肝線維化の診断において医師の負担を軽減するための自動超音波画像診断システムの開発およびその有効性を検証することです。 

このうち本報ではU-Netを利用して超音波画像から肝実質の領域を抽出、ResNet18に基づく通常の回帰モデルであるCORALNetを利用して、肝線維化の度合いをF0、F1、F2、F3、またはF4に分類・評価する方法を提案しました。

U-Netを使用した肝実質領域の抽出においては医療専門家による教師データとの高い一致度(ダイス係数0.929)を達成しました。 またCORALNetを利用した肝線維化度合いの分類・評価結果では平均MAE1.22、RMSE1.60を達成しました。

将来課題として、教師データへの依存度が低いモデルの検討、関心領域の抽出や分類・評価精度のさらなる向上等が挙げられます。