超高度に『医デジ化』された社会の実現

小泉 憲裕
(電気通信大学 大学院情報理工学研究科 准教授)

2017年4月7日金曜日

第41回超音波ドプラ・新技術研究会開催における成果発表およびRad Fan Onlineにおける研究成果紹介

3月25日の第41回超音波ドプラ・新技術研究会(東医健保会館)における成果発表についてRad Fan Onlineでご紹介たまわりました。

Rad Fan Online:

演題名:ロボットビジョン技術が実現する肝線維化および肝硬変の定量評価
演者名:小泉憲裕、近藤亮祐、源田達也、冨田恭平(電気通信大学 情報理工学研究科機械知能システム学専攻)、西山 悠(電気通信大学 情報理工学研究科情報・ネットワーク工学専攻)、坂無英徳(産業技術総合研究所 人工知能研究センター人工知能応用研究チーム)、熊川まり子、松本直樹、小川眞広(日本大学医学部 消化器肝臓内科)
内容:著者らは、人工知能およびロボットビジョン技術を医療に展開、肝線維化や肝硬変をはじめとする肝疾患をロバストかつ高精度に定量評価するシステムの開発をおこなっている。このうち、本報では、現在開発中の以下の2つの手法について概観する。(1) 肝線維化の評価精度向上のために肝実質からアーチファクトを分離する手法、 (2) 肝臓内の血管構造に基づいて超音波B-Flow画像を解析する手法。
(1)については、分類器の一つである線形サポートベクトルマシンおよびこのための特徴量を用いてアーチファクトと肝実質を分離する。最新の成果では、80%程度の分離精度が達成されており、今後さらなる分離精度の向上を図る。(2)については、血管構造に関わる以下の3つの指標を導出、正常な肝臓と肝硬変の超音波画像とを比較したのでその結果について報告する。(指標1)血管の枝分かれ前の血管の直径と枝分かれ後の血管の直径の合計との比率、(指標2)血管の枝分かれした二つの分岐の角度、(指標3)各枝での血管の進行方向の体表面への角度。