3月14日にロボティクス・シンポジア(萩)において、成果発表をおこないました。
非侵襲超音波診断・治療統合システムの構築法
- 運動する患部上の指定位置に適切な強度でHIFU照射可能なシステム -
大阪大の金子真先生より、発表がうまくなったなあと言っていただいたのが、とてもうれしかったです。先生はハイパーヒューマンの概念を提案されていて、自身の医療診断・治療技能の技術化・デジタル化の研究もハイパーヒューマンの研究に触発されるところが大きいです。
また、超音波照射によって発生するバブルノイズの処理方法についても有益なアドバイスをいただきました。
今回は、現在の非侵襲超音波診断・治療統合システムと以前、研究していた、遠隔超音波診断システムにおいて、
あえて冗長な軸を導入して、タスクごとに独立した制御機構とすることによって、
タスクに応じたリアルタイム性を確保できることを発表しました。
ご無沙汰しております。文化系には難しい内容ですが、噛み砕くとどういうことでしょう?HIFUって前立腺がんとかで使うやつですか?
返信削除ブログのサイドバーもカスタマイズしてて素敵ですね。
コメントありがとうございます。はい、前立腺がんとかで使うやつです。強力集束超音波(High Intensity Focused Ultrasound:HIFU)といいます。
返信削除これは,球面型の超音波振動子を用いて超音波を集束させることにより,周りの体組織に損傷を与えることなく,体内の狭い領域にエネルギーを集中させるというものであり,正常な組織を損傷させることなく患部のみを治療することができます。
しかしながら,HIFU を利用した既存のシステムに共通する主要な問題点の一つとして,呼吸や心拍をはじめとする臓器の運動に対する補償が行なわれていないことがあげられます。そのため,腎臓や肝臓など,運動する臓器はこれまでHIFU治療の対象として積極的に捉えられてきませんでした。
そこで,本研究では,呼吸や心拍等により能動的に運動する患部を抽出・追従・モニタリングしながら,超音波を集束させてピンポイントに照射することで,がん組織や,結石の破壊,疼痛の治療などを,患者の皮膚表面を切開することなく非侵襲かつ低負担で行なうシステムを提案しております。
超音波診断・治療においては,医師が超音波プローブを見たい方向から.患部にアプローチする,プローブと患部の押しつけ力を調節して診断画像を獲得する,プローブの位置・姿勢・押しつけ力を調節して診断画像を維持した状態で患部に超音波を照射する,プローブを患部から引き離して、別の患部を診断・治療するといった、複数のタスクが存在します。
その際,各タスクに応じて、タスクを適切に遂行するために適したロボットの機構、制御系、画像処理アルゴリズムは異なります。今回の発表では、このことを考慮して、ロボットの機構、制御系を医師のタスクに応じて最適化するためのひとつの方法を提案しました。
コメント、ありがとうございます!がんばります!!
返信削除また、ラボにて、研究を説明する機会もいただければとおもいます。