超高度に『医デジ化』された社会の実現

小泉 憲裕
(電気通信大学 大学院情報理工学研究科 准教授)

2017年8月19日土曜日

第2回医療のデジタル化(医デジ化)研究会開催

第2回医療のデジタル化(医デジ化)研究会を電気通信大学小泉研究室において開催しました。今回は、『肝細胞癌に対する超音波治療のためのnavigation system』と題して横須賀市立市民病院の道端信貴先生にご講演たまわりました。最新のトラッキングおよびレジストレーション技術を用いた肝臓がんの超音波治療の精度向上から、消化器の内視鏡治療におけるわれわれのトラッキングおよびレジストレーション技術の応用展開の可能性について大変有益なご助言・ご指導をたまわりました。

道端先生の最新のご研究のなかで、体表のマーカーに加えて腫瘍などの体内のターゲットそのものを生体マーカーとして利用、基準点登録するという新しい発想をシステムに導入、新しいデバイスとして具現化したことが挙げられます。

これにより3次元CT画像および2次元超音波画像のターゲット近傍におけるレジストレーションの精度向上が可能になり、結果として超音波治療の精度が大きく向上する可能性が確認されました。この事実はわれわれの研究にとっても大いに示唆に富んだ、すばらしい研究成果であり、道端先生の発想・構想力に強く感服いたしました[1]。

Q and Aにおいては議論が沸騰、当初予定していた時間を大幅にオーバーする盛り上がりようで、われわれの医デジ化研究プロジェクトの方向性や研究内容についても強くエンカレッジたまわり、この場をお借りして厚くお礼もうしあげます。

参考文献:
[1] https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs11548-017-1647-9



道端信貴先生によるご講演風景